映画

「The Lady アウンサンスーチーひき裂かれた愛」

凛とした美しいたたずまいで、強い意志を感じさせるまなざし。
スーチーさんはずっと気になる人でした。

リュック・ベッソンが事実に基づく映画を撮るなんて意外でしたが、予告で観て「絶対観たい」と思いました。
今までの作品とは全く違いますが、ベッソン監督が何故この映画の脚本に惹かれたのかは分かるような気がします。
エリック・セラの音楽が、少しベッソンらしさを感じるところでしょうか。

長い間軟禁生活を送っているというだけで、その精神的な苦痛は計り知れませんが、家族とも自由に連絡が取れず、夫・マイケルさんががんと分かっても会えなかったとは・・・。

この作品には、スーチーさんと家族の深い絆が描かれていて、それが彼女を支え続けたことが伝わって来ます。

家族と引き裂かれる姿に涙し、不条理な暴力や弾圧を受ける国民の姿に悔しさを感じて涙し、映画を観終わった後、目と鼻は真っ赤でした。

ミッシェル・ヨーはスーチーさんに生き写しのようにそっくりでした。
生花を髪に飾って、ビルマの衣服を細い身体で着こなす姿がきれいでした。

銃を向けられても毅然とした態度で向かって行くスーチーさんの勇気には本当に感動したのですが、実際にもそんな事があったそうです。

映画を観てからすぐ「自由 自ら綴った祖国愛の記録」を読んでみました。
他国の歴史や政治的な話を読むのは難しくて、時間がかかりましたが、スーチーさんのお父さんであるアウンサン将軍が何故今も国民に熱狂的に支持されているかがよく分かりました。
決して権力をふりかざすのではなく、国民に真摯な言葉で支持を求め、一緒に国を作り上げようという気持ちが伝わってくる演説には心を打たれました。
国民がそのアウンサン将軍の娘であるスーチーさんを信頼するのは当然の事なのでしょう。

スーチーさんの軟禁生活も解かれましたし、これから少しずつでもビルマが変わって行けばいいなと思います。
ビルマ(ミャンマー)の人々が恐怖や暴力に支配されることなく、自分の考えや言葉を自由に発して、行動できる日が一日も早く来ることを願っています。

この映画にはあまりにもたくさんの想いがあって、上手く書けていないのですが、とにかく一人でも多くの人が観てくれるといいなと思います。

「The Lady アウンサンスーチーひき裂かれた愛」公式サイト

「ジェーン・エア」試写会

2009年に舞台で観たのですが、映画はどんな風に描かれるだろうと思って観に行きました。

ジェーン・エアは幼くして両親を亡くし、引き取られた伯母の家では虐げられ、寄宿学校に入れられてしまいます。

寄宿学校を出たジェーンは、ある名家の家庭教師になります。
その家の主・ロチェスターは気難しく、時には高慢な態度を取りますが、次第にジェーンと惹かれあっていきます。
ロチェスターはジェーンに結婚を申し込むのですが・・・。

逆境の中でも誇りを忘れず、凛とした強さを見せる彼女に惹かれます。
物語は決して明るくはなく、ジェーンには試練の連続なのですが、人を許すということ、誰かを深く愛するということ・・・いろいろな事を考えさせられる作品です。

派手ではないけれど、クラシックで上品な衣装が素敵でした。
レースの襟がドレスに合わせていくつかあって、すごくおしゃれでした。

今年舞台は再演されるそうですが、映画と同じくらい濃い密度で描かれていたと思います。
私の好みとしては、ストレートで観たかったのですが。

2009年の舞台の感想はこちら

「僕等がいた 後篇」試写会

前篇に続き後篇も試写会で観て来ました。
今回は開場前から長い列になっていたのですが、座席に座れない人が通路に座るぐらい盛況でした。
前篇は大ヒットしているみたいですものね。

多少ネタバレもあるかと思いますので、ご注意を。


一体どうして矢野は東京に行ってから音信不通になってしまったのか-。
矢野は、母の失業、病気で家計を助ける為にバイトに追われる生活になっていきました。
時間にも精神的にも余裕のない生活の中で、高橋は彼の心の支えでした。
でも、彼にとって更に衝撃的な出来事が起こります。

矢野のお母さんの言動には共感出来ませんでした。
多少は病気のせいもあるのかもしれませんが・・・。

有里もそうですが、大好きな、大切な人の幸せを一番に願うのが愛ではないでしょうか?
その人を苦しめても自分のそばにいて欲しいと思うのは、エゴでしかないと思います。

矢野の気持ちを想うと、こちらまで苦しくて、泣けてしまいました。

七美は何て強いんでしょう。
会うことも、声を聞くこともできない長い時間、ただ矢野の言葉だけを信じて待ち続けるなんて。
もちろん、いろいろ気持ちが揺れたりしただろうけど。

矢野と再会して、彼の決意を聞いても、きっと「彼が決めたことだから」と思ったんですよね。
でも、七美の気持ちは変わらなくて。

そんな風に人を愛し続けるのは現実にはすごく難しいけど、だからこそ、この原作は支持されているのかもしれません。

七美を優しく見守る竹内くん役の高岡蒼佑さんも好演していました。

前篇ではありたきたりのラブ・ストーリーに思えた作品でしたが、後篇を観てがらりと印象が変わりました。
両方観て良かったです。

「僕等がいた」公式サイト

「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」

この映画は、認知症と思われる症状を示すようになったマーガレット・サッチャーが、夫・デニスの幻影と時に語らいながら、昔を振り返るという形で物語が進んでいきます。

若い頃から物怖じせずに、自分の意見をはっきり言うマーガレット。
デニスはそんなマーガレットを面白がっているように見えました。
デニスのプロポーズを受ける場面は、本当に素敵でした。

でも、首相戦に立候補するのをデニスに反対された時の「あなたは家庭よりも社会貢献を第一に考える女と結婚したのよ」はすごいなと思いました。
そんなことを言える女性って、なかなかいないと思います。
彼女は、やっぱり”選ばれた人”だったんですね。

政治家として首相に上りつめていく過程や、国民に批判されたり、弱腰の党員に意見されても、決して自分の信念を曲げない姿には爽快ささえ感じました。

私はそれほど政治に興味のある方ではありませんが、一般的なニュースには目を通しているつもりでした。
それでも、他国の政治情勢は意外に知らない物なんだなと改めて思いました。

でも、この映画はマーガレットとデニスの物語だと思います。
政治には興味が無いし、難しそうと思わずに、マーガレットという女性の愛と仕事の歴史と思って観て欲しいです。

メリル・ストリープの細やかな表情の演技は素晴らしいです。

私が観に行ったのは平日の昼間でしたが、レディース・デーだったせいかほぼ満席でした。

「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」公式サイト

「ドライヴ」試写会

昼は自動車の整備士やハリウッドのスタントマン、夜は強盗の逃走を請け負う"ドライバー"。
家族も友人もなく孤独に生きる男は、同じアパートの子連れの女性と親しくなっていくのだが、彼女の夫が出所して来る。夫は服役中の借金を返す為に組織から強盗を強要されていて、彼を救おうと男は犯行を手伝うのだが、それはマフィアの罠だった-。

最初に強盗の逃走を手助けするシーンから始まるのですが、冷静で緻密、恐ろしく頭がいい男のクールなドライヴ・テクニックに、まずぐっと惹かれてしまいます。

その夜の顔とは別人のような、好意を寄せる女性や子どもに見せる優しい笑顔がまた良いんですよね。
口数は多くないけど、照れくさそうに微笑み合う二人。
この幸せそうな男の顔がいつまでも続けばいいのにと思うのですが・・・。

彼女の夫と犯罪に関わるところからはバイオレンス・シーンが多くなりますが、一瞬でフレーム・アウトするので、残酷だけれど観客に想像させるような演出になっていて、上手いなと思いました。
でも、血を見るのは苦手という方はご注意を。

彼女が男の別の顔を知る場面は、観ているこちらも辛かったです・・・。
一緒に生きて行きたくても、どうしようもなく遠く離れて行ってしまう二人の距離が。

観終わった後、ただただ悲しい余韻が残りました。

「ドライヴ」公式サイト

「ももへの手紙」試写会

父カズオを事故で亡くした小学校6年生のももと母・いく子は、瀬戸内海の汐島という小さな島に引っ越して来た。亡くなった父の部屋で見つけた「ももへ」と一言だけ書かれた手紙。ケンカしたまま亡くなってしまった父は、何を書きたかったのか・・・。

人見知りで内弁慶なももは島の生活になじめず、一人の時間を持て余していたのですが、イワ、カメ、マメという不思議な妖怪3人組と出会います。
食いしん坊で傍若無人な3人組に振り回されるももでしたが、実は彼らは重要な役目を持っていたのでした。

最初は妖怪を迷惑がっていたももですが、一緒にイノシシから逃げたり、空へ手紙を送るダンス(?)を一緒に踊ったりして、だんだん打ち解けていきます。
島の人達や友達にも無愛想だったももが、彼らに感情をぶつけるうちにだんだん表情が明るくなっていって、こちらもホッとします。

ももといく子がケンカする場面では、どちらの気持ちも分かってハラハラ。
家族にはつい甘えて、わがままになってしまいますよね。
そして、気持ちが行き違ってしまったり。

明るく振るまっていたいく子も、カズオを亡くした悲しみに一人耐えていたんですよね。
家族のアルバムを見る場面では、涙が止まりませんでした。

最後に、ももといく子に起こった奇跡に胸がじんわり温かくなりました。
そして、少しずつ前向きになって、日々の暮らしを送る二人の姿が頼もしく思えました。

この日は、角川書店試写室での試写会だったのですが、本好きとしては角川書店本社ビルにも興味津津でした(笑)

ピンクの服を着て行くと特典があるかも・・・と記載されいたので、何とかピンクらしい服を着て行ったら、プレスシートを頂けました。

公開は4/21(土)とまだ先ですが、お勧めの映画です。
「ももへの手紙」公式サイト

「僕等がいた 前篇」試写会

クラスのほとんどの女子が好きになる矢野。七美は、そんな矢野が時々見せる苦し気な表情が気になっていた。
いつしか七美も矢野に惹かれていくのだが、彼は年上の彼女を交通事故で亡くした過去をひきずっていた・・・。

王道の青春ラブ・ストーリーという感じですが、はっきり言ってストーリーに目新しさはありません。
先の展開が読めてしまいますが、登場人物のキャラクターが魅力的だから何とか観れたという感じです。

七美が矢野の言動に一喜一憂する姿が可愛くて、その真っ直ぐな想いが切くて・・・。
吉高ちゃんはどちらかというと振り回すタイプの女の子のイメージの方が強いですが、七美の喜怒哀楽の激しいところは合っていました。

矢野は、女の子なら誰でも好きになるタイプです。
ちょっと影があって、放っておけなくて。
斗真くんはとにかく格好良いです(笑)
素直になれない矢野の苛立ちや、忘れられない恋人を想う苦しさを繊細に表現していました。

こっちが恥ずかしくなる台詞連発ですが、漫画だったらすんなり読める言葉なんでしょうね。
原作は1000万部の大ベストセラーだそうですが、ちょっと読んでみたいなと思いました。

後篇は気になるけど、映画館で観るかどうかは微妙です。

「僕等がいた」公式サイト

「風にそよぐ草」

初老の紳士・ジョルジュは、ある日駐車場の片隅にあった財布を拾う。中に入っていたマルグリットの写真に心を奪われた彼。警察に財布を届けると、マルグリットからお礼の電話が・・・。

大人の素敵な恋愛映画かと思いきや、ジョルジュには美しい妻と子ども達がいるし、まるでストーカーのようにマルグリットに手紙を送ったり、電話したり・・・。
マルグリットは戸惑いながらもジョルジュが気になって会いに行くのですが、ジョルジュは冷たい態度だったり・・・と、二人の想いはなかなか噛み合いません。

ちょっとシュールで、分かり易いストーリーではないけれど、人の気持ちはいろいろ揺れるもの。
フランス映画らしい曖昧さが何とも心地良いです。

アンドレ・デュソリエ(ジョルジュ)、サビーヌ・アゼマ(マルグリット)、マチュー・アマルリック(マルグリットに好意を抱く警官)、アンヌ・コンシニ(ジョルジュの美しい妻)と、日本で公開される仏映画でもお馴染みの豪華キャストです。

今週17日(金)までです。

「風にそよぐ草」公式サイト

「ものすごくうるさくて ありえないほど近い」試写会

9.11 アメリカ同時多発テロで父親を亡くした少年・オスカー。
繊細で不器用な彼に、根気良く付き合ってくれ、導いてくれた父。
父の部屋から見つけた一本の鍵の謎を解き明かす為に、いろいろな人を訪ねて歩くうちに、少しずつ成長していくオスカー。

オスカー役の少年は、この映画がデビュー作とは思えない演技です。
父の死を受け入れられず、母親とぎくしゃくしてしまう場面の繊細な演技も良いし、自分の感情を思いっ切り相手にぶつける場面などは圧倒されました。

謎の老人のオスカーを包み込むような優しい表情が素敵です。
老人の過去を知りたがるオスカーに「話したくないこともある」と、子どもだからと甘やかさずにはっきり突き放すところも良いなと思いました。

涙、涙では終わらずに、オスカーが成長していく姿が描かれているのが救いです。

大切な人を亡くして傷ついている人がこの映画を観たら、少しでも前向きになれるのではないかなと思いました。

お勧めの映画です。

「ものすごくうるさくて ありえないほど近い」公式サイト

「ALWAYS三丁目の夕日'64」

先日TVで2作目を観て、また泣いたりしていたのですが、今回も笑って泣いて泣いてでした。
シリーズ3作とも面白いなんて、なかなか無いと思います。

登場人物みんなが好きで、本当によく知っている人達のような錯覚を覚えるくらいです。
子役の二人の成長振りに驚いたり、六ちゃんが恋をして綺麗になっていく姿を微笑ましく思ったり。
茶川の情けない姿に母性本能をくすぐられたり(笑)

今回は様々な形の親子の愛情が描かれていて、涙、涙・・・でした。

'64年当時のファッションの流行や、白黒テレビからカラーテレビへの電化製品の移り変わり、オリンピックに浮かれる人々なども描かれていて、そんな時代だったんだなーと。

末來くん演じる菊池先生が、やけどの痕が残るか気にしているろくちゃんに「しみも傷跡もその人が一生懸命生きている証だから美しいと思いますよ」(台詞は正確じゃないかもしれませんが)と言っていたのが心に残りました。

3Dじゃなくてもいいかなと思って2Dで観ましたけど、全然大丈夫です。

ALWAYS三丁目の夕日'64 公式サイト

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