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2012年10月

「贖罪/湊かなえ」

ある田舎町の小学校で不審者の男に少女・エミリが殺された。
その時一緒に遊んでいた4人の少女は、エミリの母親・麻子から衝撃的な言葉を投げつけられる。
その言葉に囚われた少女達はそれぞれ成長するが・・・。

まず4人の"贖罪"の物語が語られていくのですが、一つ読み終わる度に後味の悪い感じが残りました。

最後の麻子の話には呆れるばかり。
そして、本当に救いようの無い結末に向かって行きます。

でも、人って自分勝手な物ですよね。
自分ではそんなつもりはなくても、案外他人から見れば自己中心的な行動を取っているのかもしれません。

湊さんの作品の主人公は、普通ならそんな事は言わないだろう、しないだろうという常識から外れた行動を取ったりしますが、実はそれは理性をかなぐり捨てた人の本性。
だから読んでいて不快なのに、ぐいぐい惹きつけられてしまうのかもしれません。

「エッグ」観劇

「エッグ」という見た事のないスポーツがどのように描かれているのか楽しみでしたが、結局実体はよく分からないのに面白かったです。

仲村トオルさんの筋肉にびっくり!
本当にアスリートみたいな身体でした。

以前から舞台や映画で深津さんが歌う場面があると、好きな声だな~と思ってました。
今回は歌手役でたっぷり聴けたので、すごく嬉しかったです。
椎名林檎さんの曲がまた素敵で、観劇後すぐにCDを買いました。
すっかりハマって、何回も聴いてます。

「スポーツ」と「音楽」は人々を熱狂させ、人をどこかに連れて行く力があるという野田さんの言葉はすごく良く分かりますね。
コンサートでみんなが同じように手を振ったり、踊ったりするのが、ちょっと気持ち悪く感じる時があるので。
みんなで何か一つの物を崇拝しているような。

2時間10分休憩無しでしたが、舞台の世界に惹き込まれていたので、濃密な時間を過ごせました。

上演期間の前半と後半、2回観たかったなと思いました。

野田さんの舞台は、演出も毎回斬新で楽しめます。

ひびのこづえさんの衣装も素敵でした。

新しくなった東京芸術劇場は、劇場の外にも椅子がたくさんあって、寛げる雰囲気。
劇場の中はちょっと豪華になった感じでしょうか。
音響を改善したり、客席も千鳥配置にしたり、傾斜をつけたり、見やすくしたそうです。

「かのこちゃんとマドレーヌ夫人/万城目学」

半年前、ふらりと家にやってきたアカトラの猫にマドレーヌと名付けた小学校一年生の元気な女の子・かのこちゃん。
上品なマドレーヌは、かのこちゃんの家で飼われている犬の玄三郎と夫婦のようだ。

ある日、玄三郎から猫股の話を聞いたマドレーヌ夫人は、目覚めると尻尾が二本になっているのに気付き・・・。

万城目さんらしく、ちょっと不思議なお話ですが、今回はほのぼのします。
かのこちゃんが友達のすずちゃんと友情を深めていく様子や、マドレーヌ夫人と玄三郎さんのお互いをいたわり合う姿もいいなーって。

猫好きなら、行動を思い描くと「あるある」と頷ける場面がいっぱいです。
マドレーヌ夫人のちょっとした冒険(?)もハラハラして面白かったです。

最後、マドレーヌ夫人はどちらを選択したのでしょう?
また続編があると嬉しいです。

「鍵のない夢を見る/辻村深月」

平凡な日常を送っていた筈なのに、ふとした事から犯罪を犯してしまった人や、巻き込まれてしまった人を描いた短編集。

どのお話に出て来る登場人物にもあまり好感が持てなくて、嫌な気持ちになるのですが、よくニュースで耳にするような犯罪ばかりなのです。
もしかしたら、自分の身にも起こるかもしれないと思うような。

特に私の心に残ったのは最後の「君本家の誘拐」。

大型ショッピングモールで買い物をしていた良枝は、ふっと横を見るとベビーカーがないことに気付く。
店内を必死で探し回るが、ベビーカーは見つからない。

実家が地方の良枝は、毎日仕事で遅い夫が帰って来るまで子どもと二人きり。
夜泣きで満足に睡眠も取れず、買い物もゆっくり出来ない。
そんな中で、良枝は次第に精神的に追い詰められていく・・・。

私には子どもはいませんが、実家が遠い友達は子育ても大変そうだなと思っていたので、身近な話に思えました。

一つの事に囚われると周りが見えなくなってしまう良枝の危うさも、誰にでも置き換えられそうです。

「左京区恋月橋渡ル/瀧羽麻子」

京都の大学院でエネルギーの研究をしている山根は、ある日下鴨神社で美しい女性に一目惚れしました。
偶然彼女に再会した山根は、彼女をお茶に誘います。
学生寮の仲間や友達の彼女に心配されながら、山根は彼女を想い続けるのですが・・・。

「左京区七夕通東入ル」は京都で学生生活を送る花と理系男子・龍彦の恋愛が描かれていましたが、今回は龍彦の友達の山根くんの恋愛のお話です。

山根くんにとっては初めての恋で、戸惑ってばかりなのですが、その様子があんまり一生懸命で純粋だから、読みながら応援したくなってしまいます。
恋のお相手・美月さんも山根くんといる時間が楽しそうで、お似合いだなーなんて思ったり。

でも、初恋なので・・・後半はいろいろな事があります。
いろいろあるけど、読み終わって、何かすごく良かったなって思えます。
山根くんは、きっと素敵な男性になっていくと思います。

花が教えてくれる京都のデート・スポットも行ってみたくなります。
美味しいランチやカフェ、雑貨や絵本屋さんなどなど。

次は安藤くんの話かな。
あんまり恋愛と結び付かないけど(笑)

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