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「アシンメトリー/飛鳥井千砂」

結婚願望の強い朋美は、結婚したいと思ったことがないと言っていた紗雪が突然結婚を決めてショックを受ける。相手の治樹は紗雪の学生時代からの親友で、治樹のやっているカフェに時々顔を出すようになっていた朋美は淡い憧れを抱いていたのだ。
しかし、二人の結婚パーティーで出会った貴人に朋美はいつしか惹かれていく-。

(ネタバレあり)

飛鳥井さんの作品を読むのは「タイニー・タイニー・ハッピー」に続いて二作目ですが、この作品も細かく登場人物の心の動きが描かれていて、感情移入しやすいです。
語り手が4人順番に替わっていくので、それぞれの気持ちがすごく良く分かるんですよね。

朋美は、自分は”常識的”で”普通”だと思っていて、20代後半になって結婚を焦っています。
貴人は明るく素直な性格で、周囲の期待に応えようと無理をするところがあって、恋愛も受け身で始まることが多いのですが、真面目に相手と向き合います。

紗雪は人と違った奇抜なファッションを好みます。
恋愛は長続きしないことが多いのですが、実は相手に性的欲求を抱けないでいました。
治樹は同性愛者ですが、紗雪はそんな治樹を自然に受け入れてくれた唯一の存在です。

朋美と貴人、紗雪と治樹、アシンメトリー(非対称)な二組の恋愛。

結婚に対しての考え方が違って、朋美と紗雪が険悪な雰囲気になる場面がありますが、私もどちらかと言えば紗雪のように相手がいない時に「結婚したい」とか「子どもが欲しい」と思わないタイプでした。
でも、それも年齢とともにだんだん変っていったので、朋美の気持ちも分かります。
みんな同じである必要はないと思うけれど、「普通」から外れていく不安というのか。

終盤はそれぞれ隠していた本心や感情が露わになって、予想外の展開になります。

朋美が”自信の無い自分”から少し成長して、紗雪と本音を言い合う場面はすごく良かったです。
本当の意味でこの二人は分かり合えたのかなって。

飛鳥井さんの他の作品もまた読んでみたいと思います。

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