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「七十歳死亡法案、可決/垣谷美雨」

すごいタイトルですね。
「結婚相手は抽選で」に続く、もしもこんな法律が出来たらシリーズ?ですね。

七十歳死亡法案が可決された。これにより日本国籍を有する者は誰しも七十歳の誕生日から30日以内に死ななければならない。政府は安楽死の方法は数種類は用意する方針で、対象者がその中から自由に選べるように配慮するという。
施行は二年後の四月一日である。

専業主婦の東洋子は八十四歳の義母を介護する毎日。
仕事で多忙の夫は、家庭の事は東洋子に任せきりだ。
有名大学を卒業後、大手の銀行に勤めた息子・正樹は、人間関係につまずいて退職してからは就職が決まらず、引きこもっている。
娘の桃佳は家を出て独立して、めったに家には帰って来ない。

夜中も何度も義母に呼びつけられて睡眠不足の東洋子は、次第に追い詰められていく。

「七十歳死亡法案」を巡って、マスコミも世の中の人達も様々な議論を交わします。
正社員の仕事がなかなか決まらず、低所得にあえぐ若者は、将来を悲観して法案に賛成する人が多く、七十歳前後の人達は若い時は高度成長期の日本を支える為に頑張って働いて、やっと余裕の持てる年齢になったのにと反対意見を述べます。

医療技術が進んで長生きできるようになったけれど、一昔前とは大きく変わってしまった人生の長さに法律も人々もついていけてないのが現状のような気がします。
自分の老後や介護のこと、福祉のこと、いろいろ考えさせられました。

追い詰められた東洋子は家を出て行ってしまうのですが、最初夫や息子は誰かに頼ろうとするばかりで、自分が介護することは全く考えないのに呆れました。
誰か一人に介護を押しつけるのは無理ですよね。
家族や行政が助けられるシステムがないと、これからは老人の方が多い世の中になるのだから。

それにしても垣谷さんの作品の切り口はいつも斬新で面白いです。
次の作品も楽しみです。

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