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2012年2月

「レインツリーの国/有川浩」

この本は、「図書館戦争」シリーズ二作目の「図書館内乱」の中で重要なアイテムとして出て来ます。

伸行はブログで高校生の頃思い入れの深かったライトノベルの感想を読んで、管理人であるひとみと話がしたいと思ってメールを出してみた。
お互いに好感を持った二人のやり取りは、メールのラリーとなって楽しく続いていたのだが、会ってみたいと言い出した信行にひとみは戸惑うのだった-。

ひとみは高校生の頃、事故で耳が聴こえなくなってしまいました。
それを隠したままの初めてのデートは散々な結果に終わってしまいました。
それからもひとみを気遣いながらも上手くいかない信行と、わかってもらえないと苛立つひとみはしょっちゅうぶつかります。

それでもあきらめない信行はすごいなーと思います。
それが好きって事なんでしょうね。
はっきり言って、ひとみはかなり面倒くさい女の子だと思います。
でも、「ひとみの感じ方や考え方が好きだから」っていうの、何か分かるような気がします。
自分が選んで使った言葉を分かってくれる人って、そんなにたくさんいるわけじゃないから。

有川さんも同じ本好きなんだなって、どの作品を読んでもすごく共感するエピソードがあります。

障害を持っている人への接し方もすごく考えさせられました。

「夢違い/恩田陸」

浩章の仕事は夢判断。夢そのものを映像データとして保存できるようになって、肉眼で「夢」を見て、本物の夢判断が行われるようになったのだ。
兄の婚約者だった結衣子は、予知夢を見ることで世間の注目を浴びていたが、ある事故で亡くなった。遺体は発見されなかったのだが・・・。

全国の小学校で起こる不可思議な事件。その後、眠るとうなされるようになる子ども達。
夢の中に現れる結衣子らしき人物。

結衣子は生きているのか、死んでいるのか?
夢の中に現れたり、目撃されているのは本当に結衣子なのか?
どうなっていくのか気になって、一気に読んでしまいました。

夢って不思議なものですよね。
潜在意識や見た物や聞いた物が影響を与えているとは思いますが、どうしてこんな夢見たんだろうっていう事もありますよね。

私は予知夢を見たことはありませんが、結衣子のように悪い出来事ばかり夢に見て、それがどこなのか、いつなのか分からないのは辛いでしょうね。
だんだん結衣子のことが分かるにつれて、切なくなってしまいます。
最後の方は泣きそうになりました。

結衣子にとってはハッピー・エンドなのかな?
浩章にとっては・・・?

不思議な作品世界に心を持って行かれるような本でした。

「トリツカレ男」観劇

初演の時、丁度いしいしんじさんの本を読んでみたいなと思っていたし、あらすじを読んで是非観たい!と思いながら見逃してしまいました。
再演すると知って、今回はチケットを取っておきました。

ふとしたきっかけで、何かにトリツカレてしまうジュゼッペ(畑中智行)の気持ちがすごく「分かる、分かる」という感じで、最初から親近感が持てました。
私も結構好きなものにはトリツカレる方なので(笑)

風船売りのペチカ(星野真理)への恋にトリツカレてしまったジュゼッペの行動が最初は微笑ましくて、だんだん切なくなってきて・・・何度も泣きました。
そこまでするの?って思うほど。でも、そんな気持ちも分かるような気がして。

そして、タタン(西川浩幸)からペチカに手紙が届かなくなってしまった理由を知って、また泣いて・・・。

でも、トト(金子貴俊)とジュゼッペのやり取りは楽しかったし、レストランでみんなが集まって話す場面やマフィア三人組の場面など、笑いもいっぱいでした。
衣装も色鮮やかで、ポップで明るい感じでした。

本当にこの世界観、好きだな~と思って胸が熱くなりました。

一時期は毎公演観に行っていたキャラメルですが、似たような題材が続いているなと思った時があって、しばらく足が遠のいていました。
でも、観終わると必ず温かい気持ちになれるところは変わっていなくて、やっぱり好きだなと思いました。

そして、西川さんのこと。
去年、脳梗塞で舞台を降板したのは知っていましたが、あまり詳しい事は知りませんでした。
今回、台詞がゆっくりだなと思ったり、何度か噛んだりしていましたが、後遺症が残っているんですね。
でも、タタンは西川さんにぴったりでした。
大好きな俳優さんです。これからも頑張って欲しいです。

キャラメボックス公式サイト

「オリーヴ・キタリッジの生活/エリザベス・ストラウト」

アメリカ北東部の小さな港町クロズビー。
薬局を営む中年男性が若い女性店員に抱く秘かな想い。
夫の葬儀の日に、従姉から愛人関係にあったと打ち明けられる女。
自殺を考えて故郷に立ち寄った青年が恩師に再会して・・・。

町の人々の生活を丁寧に描きながら、13篇全てに登場するオリーヴ・キタリッジ。
無愛想で、教師だった頃、生徒には怖い存在だった彼女の人生が、少しずつ露わになっていきます。
ある物語では端役だったり、傍観者だったり、彼女自身が語り手になったり・・・という描き方は新鮮でした。

どちらかというと悲しい話や心の中の葛藤を描いた話が多かったのですが、季節の移り変わりや情景を表現する言葉が美しくて、読むのが苦になりませんでした。

海外の作家の本はあまり読まないのですが、自分の知らない異国の暮らしぶりや習慣を知るのは興味深いですね。

オリーブ色を配した装丁も素敵です。

「タイニー・タイニー・ハッピー/飛鳥井千砂」

大型ショッピングセンター「タイニー・タイニー・ハッピー」を舞台にした連作短編集。

第1話『ドッグイヤー』は、タニハピ(と、近所の方々は呼んでいる)の経営側で働く徹と、タニハピ内のメガネ屋に勤務する妻の実咲のお話。
一見華奢で可愛い感じの実咲だけど、テキパキと料理をしたり、実は芯のしっかりした強い女性。
徹は家事を分担したり、実咲が忙しいのに手の込んだ料理をすることに感謝したり、気遣いはあるのだけど、仕事の忙しさにかまけて実咲の話を聞き流してしまったりして、実咲と気持ちがすれ違ってしまいます。

愚痴を聞きたくない夫と、「それは大変だったね」と慰めてもらいたい妻って・・・うちと似てるな~と激しく共感してしまいました(笑)
「この本読んでみて」と、今朝夫のカバンに無理矢理入れておきました。

男と女の考え方の違いや、会社での人付き合いの難しさなど、登場人物それぞれの気持ちが細かく描かれていて面白かったです。

でも、何と言っても強烈なキャラは、徹の同僚でもあり親友でもある川野が好意を抱く小山理恵。
思ったことを何でも口にしてしまう理恵は、職場で浮いてしまいます。
みんなの前で川野とのプライベートな出来事を話してしまって、川野を傷つけたり。
こんなに空気の読めない女性っているのかしら?と思うぐらいですが、もしかしたら著者の身近にいたのかもしれませんね。
でも、自分の悪いところはすぐに反省して謝ったり、お客様の苦情処理を率先して受けたり、いいところもあるんですよね。
人にはいろいろな面があるってことですね。

この本は有楽町の三省堂の応援ペーパーを見て、手に取ってみました。
イラスト入りで登場人物の説明が描かれていて、何だか面白そうだなって。
本屋さんに行くのはそんな楽しみもありますね。

「風にそよぐ草」

初老の紳士・ジョルジュは、ある日駐車場の片隅にあった財布を拾う。中に入っていたマルグリットの写真に心を奪われた彼。警察に財布を届けると、マルグリットからお礼の電話が・・・。

大人の素敵な恋愛映画かと思いきや、ジョルジュには美しい妻と子ども達がいるし、まるでストーカーのようにマルグリットに手紙を送ったり、電話したり・・・。
マルグリットは戸惑いながらもジョルジュが気になって会いに行くのですが、ジョルジュは冷たい態度だったり・・・と、二人の想いはなかなか噛み合いません。

ちょっとシュールで、分かり易いストーリーではないけれど、人の気持ちはいろいろ揺れるもの。
フランス映画らしい曖昧さが何とも心地良いです。

アンドレ・デュソリエ(ジョルジュ)、サビーヌ・アゼマ(マルグリット)、マチュー・アマルリック(マルグリットに好意を抱く警官)、アンヌ・コンシニ(ジョルジュの美しい妻)と、日本で公開される仏映画でもお馴染みの豪華キャストです。

今週17日(金)までです。

「風にそよぐ草」公式サイト

「あつあつを召し上がれ/小川糸」

別れを決めた恋人と最後に食べる松茸料理、亡くなった父が大好きだった母の手作りのきりたんぽ。記憶に残る大切な料理を巡る物語の短編集。

どれも食べてみたくなるような料理で、その料理を大切に思っている気持ちが丁寧に描かれています。

私が一番好きなお話は、「親父のぶたばら飯」。
海外に転勤が決まった恋人が、美食家だったお父さんのお気に入りの中華のお店に彼女を連れて行きます。
二人でしゅうまい、ふかひれのスープ、ぶたばら飯をお腹いっぱい食べます。
その描写が本当に美味しそうで、中華の苦手な私も食べてみたいと思うほど。
自分が美味しいと思うものを同じように美味しいと思ってくれる人って貴重ですよね。
だから、この彼の気持ちが分かるなと思って。

自分の余命が長くないことを予感した母が、幼い娘にみそ汁の作り方を教える「こーちゃんのおみそ汁」も心に残りました。

「ものすごくうるさくて ありえないほど近い」試写会

9.11 アメリカ同時多発テロで父親を亡くした少年・オスカー。
繊細で不器用な彼に、根気良く付き合ってくれ、導いてくれた父。
父の部屋から見つけた一本の鍵の謎を解き明かす為に、いろいろな人を訪ねて歩くうちに、少しずつ成長していくオスカー。

オスカー役の少年は、この映画がデビュー作とは思えない演技です。
父の死を受け入れられず、母親とぎくしゃくしてしまう場面の繊細な演技も良いし、自分の感情を思いっ切り相手にぶつける場面などは圧倒されました。

謎の老人のオスカーを包み込むような優しい表情が素敵です。
老人の過去を知りたがるオスカーに「話したくないこともある」と、子どもだからと甘やかさずにはっきり突き放すところも良いなと思いました。

涙、涙では終わらずに、オスカーが成長していく姿が描かれているのが救いです。

大切な人を亡くして傷ついている人がこの映画を観たら、少しでも前向きになれるのではないかなと思いました。

お勧めの映画です。

「ものすごくうるさくて ありえないほど近い」公式サイト

「カンタ/石田衣良」

東京の下町で育った幼なじみのカンタと耀司。カンタには発達障害があり、人の感情や場の空気を読めずに学校ではいじめられることもあるが、耀司はそんなカンタを守ってきた。
二人はアルバイトと投資で貯めたお金を元に起業するのだが・・・。

石田さんが出演しているNHK教育の「ハートをつなごう」という番組で、私は発達障害というものを初めて詳しく知りました。
あまり多くの人に知られていないと思うのですが、知らなければ学校や会社では誤解を生んだり、浮いたりしそうです。
そこが丁寧に描かれていて、カンタと耀司の絆にも繋がっています。

株取引が問題になっているところは、数年前の騒動がモデルでしょうね。
確かに株取引でお金持ちになるのは悪くて、地道に働いてお金を得る方が全うだと言うのは果たして正しいのだろうかと思った記憶があります。

悪役が甘いのは石田さんらしいですが、結末が今一つ・・・な感じがしました。
最後の方はもう少しテンポが良かったらなと思いました。

「図書館内乱/有川浩」

「図書館戦争」に続くシリーズ2作目。

今回は登場人物達の家族との葛藤や恋愛について描かれていて、キャラクターの内面がより深く分かって面白かったです。

郁と愛情過多な両親(特に母親)とのぎくしゃくした関係は、ちょっと気の毒なくらいでした。
親がよかれと思って言う言葉も、時には子どもの心を傷つけることがあるんですよね。
それでも郁も両親を愛しているのに、なかなか気持ちが上手く伝わらないのがもどかしかったです。

小牧の幼なじみの毬江のいじらしい恋心も可愛いな~という感じでした。
いつもクールに物事を処理するイメージの小牧も、毬江のこととなると冷静ではなくて、それもまた新鮮で素敵でした。
今回の騒動では、堂上と小牧を朴念仁呼ばわりしてしまう郁と柴崎の意見が正解でしたね。
「レインツリーの国」も読まなくては。

柴崎は利用者の男性・朝比奈とたびたびランチに行くようになります。
ハンサムで頭も切れそうな朝比奈に柴崎は好感を持つのですが・・・。
美女にもいろいろ悩みはあるのですね。
私には理解できない悩みですが、容姿にしろ頭脳にしろ、人より秀でたものがあると孤独に陥りやすいのかもしれません。

そして、手塚と兄の確執が思いがけない事態を生みます。
手塚も1作目の最初の方では嫌な奴でしたが、だんだん素直になって、仲間らしくなってきました。

読みながら、それぞれの掛け合い漫才のようなやり取りに噴き出してしまうことも何度もあって、読むのが楽しかったです。
次を早く読みたいんだけど、どんどん読み終わるのは何だかもったいないような本です。

「ロッキー・ホラー・ショー」観劇

開演前からポップコーン売りのお姉さん達(に扮した女優さん)が、売れる度に「こちらのお客様にお買い上げ頂きましたー。ありがとうございます!」と大きな声で拍手。
そのうち客席からも拍手するようになって、開演前から盛り上がっている雰囲気でした。

舞台の方は、大音量の歌と奇抜な衣装に度肝を抜かれ、呆気に取られているうちに終わったという感じでした。

お芝居終了後はダンスの時間。
キャストの異様なテンションの高さに圧倒され、盛り上がるみんなを微笑ましく思いながらも、私はノリ遅れてしまいました(笑)
でも、こんな時は我を忘れてノッた者がちですよね。

笑えるシーンもいっぱいあったし、楽しかったのですが、やっぱりミュージカルに向いていない自分を確認してしまいました。
いのうえさんのお芝居なら大丈夫かなと思っていたのですが、曲の方が多いのは好みではないのです。

リピーターも多かったようだし、もう盛り上がる雰囲気が出来あがっていて、私はそこに入れなかった感じです。
これから観に行く方は、一緒に盛り上がる気持ちで行って下さいね。

久し振りの玲奈ちゃんは美しいスタイルを惜しげもなく披露してくれていました。
歌声もやっぱり好きです。

古田さんは、思い切った衣装でしたね~。
ガウンを着て登場した時からもうすごいな~と思いましたが、脱いでまたびっくりでした。
歌も素晴らしかったです。
何でもできる方ですね。

ロッキー・ホラー・ショー HP

「ALWAYS三丁目の夕日'64」

先日TVで2作目を観て、また泣いたりしていたのですが、今回も笑って泣いて泣いてでした。
シリーズ3作とも面白いなんて、なかなか無いと思います。

登場人物みんなが好きで、本当によく知っている人達のような錯覚を覚えるくらいです。
子役の二人の成長振りに驚いたり、六ちゃんが恋をして綺麗になっていく姿を微笑ましく思ったり。
茶川の情けない姿に母性本能をくすぐられたり(笑)

今回は様々な形の親子の愛情が描かれていて、涙、涙・・・でした。

'64年当時のファッションの流行や、白黒テレビからカラーテレビへの電化製品の移り変わり、オリンピックに浮かれる人々なども描かれていて、そんな時代だったんだなーと。

末來くん演じる菊池先生が、やけどの痕が残るか気にしているろくちゃんに「しみも傷跡もその人が一生懸命生きている証だから美しいと思いますよ」(台詞は正確じゃないかもしれませんが)と言っていたのが心に残りました。

3Dじゃなくてもいいかなと思って2Dで観ましたけど、全然大丈夫です。

ALWAYS三丁目の夕日'64 公式サイト

2月の気になる舞台

1月はすっかり出不精になってしまって、観劇は1本でした。
今月は少し活動的にならなくちゃ。

ロッキーホラーショー ★
神奈川・福岡・大阪公演が終わっているので、リピーターもたくさんいそうですね。
神奈川の千秋楽に行った友達は、盛り上がったと言っていたので楽しみにしています。

トリツカレ男 ★
初演の時に行きたいと思っていたのですが見逃してしまったので、今回はチケットを取りました。
星野真理さんと金子貴俊さんが出演するのも楽しみです。

PRESS~プレス~
さんまさんの舞台も一度観たいと思いながら、まだ観た事がありません。
ドラマでよく見る丸山智己さんも観てみたいです。

雪やこんこん
「欲望という名の電車」の好演が記憶に新しい高畑さん主演です。

ハムレット
シアタークリエに井上くんが登場するのですね。
ミュージカルはほとんど観ませんが、シェイクスピアだし、ちょっと興味があります。

1月に発売された演劇関係の雑誌をいくつか見て、柳楽くんがかなりなイケメンになっていたのに驚きました。外人みたいな・・・。
まだ先ですが、「海辺のカフカ」は絶対観たいです。

内野さんが年1回ペースになっている舞台が少ないと感じていると話していらっしゃるのも嬉しかったです。
文学座を退座して、やっぱり映像が中心になっていくのかなと少し不安に思っていたので。

堤さんも今年から来年にかけては舞台が多くなると話されていたし、映像でも活躍する俳優さんが舞台を大切に考えてくれるのは、観劇ファンとしては本当に嬉しいし、楽しみです。

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