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2012年1月

本の感想をまとめて・・・

寒い日が続きますね。
寒いと気持ちも縮こまってしまうような気がします。
でも、本格的な寒さも後1ヶ月ぐらいです。
春を待ちながら過ごします。

本は読んでいるのですが、なかなか感想が書けず・・・。
まとめて書きます。

「放蕩記/村山由佳」
母親への葛藤を描いた著者の自伝的小説。
ここ数年、村山さんは意欲的に書いていますね。
どこまでが真実なのだろうかと思いながら、主人公の痛みに自分の痛みも重ねてしまいました。
母親と娘の関係って、女同士だから余計に難しいなって思いました。

「ワーキング・ホリデー/坂木司」
元・ヤンキーで、ホストの大和の元に突然現れた小学生の息子。夏休みの間だけ一緒に過ごすことになったのだが・・・。
世話焼きおばちゃんのような息子・進が可愛いです。
登場人物がみんないい人で、宅配便の仕事の裏話も面白いです。
今月、続編の「ウインター・ホリデー」が発売されたので、それも読んでみたいです。

「一匹羊/山本幸久」
縫製工場で働く主人公。若い頃は、一匹狼のように同族経営の上司にも血気盛んに意見を言っていたのが、今は納得がいかなくても上司に従うようになっていた。
短編集ですが、どのお話も読み終わった後に微笑んでしまうような感じです。

「プリンセス・トヨトミ」DVD

すごく期待していたのですが、うーん、やっぱりあの原作を2時間にまとめるのは苦しいですよね。
一番残念だったのは、大阪国として立ちあがるまでの一人一人の小さな仕事が、ひょうたん一つになってしまったことです。
万城目さんの作品は細かい伏線がとても重要なので、映画はどうしても大雑把なストーリーに見えました。

原作を読んでいない夫も、何だか唐突な話でよく分からないと言っていました。

岡田くんの役も、やっぱり女性ではなければ意味がないんですよね。

キャストは揃っているのに、本当にもったいない。

「ツナグ/辻村深月」

死んだ人間と生きている人間を合わせる窓口-使者(ツナグ)。平凡で目立たないOL・愛美が会いたいのは、急死したアイドル・水城サヲリだった。

様々な理由で死んだ人に会いたいと、やっとの思いで使者に連絡を取った人達。

一番印象に残ったのは、親友に会いたいという高校生の女の子・嵐。
姉妹のように仲の良かった御園が、交通事故で急死してしまった。
演劇部だった二人は新しい公演の主役を巡って争うことになり、事故の前から気まずくなっていたのだが・・・。

ここからは、少しネタバレになるような感想になります。

このお話だけは、「会えて良かったね」とは言えないお話でした。
これから嵐はちゃんと自分の人生を生きていけるだろうか・・・と辛くなりました。
自分の気持ちを素直に伝えることは難しいですね。
十代の頃はいろいろ複雑な気持ちがあったりして、特にそうかもしれません。
もし、二人とも本当の気持ちを言い合っていたら・・・と、読み終わっても何度も考えてしまいました。

最後のお話は使者(ツナグ)をしている歩美の物語。
この作品がただのファンタジーに終わっていないのは、その不思議な現象の謎解きにも触れているからです。
使者である歩美にも親近感を抱けるから、物語に深みが出ているのでしょう。

もし、自分だったら誰に会いたいと思うだろうと考えました。
今は思い当たりませんが、やっぱり身内だろうなと思います。

お勧めの本です。

「チヨ子/宮部みゆき」

1999年~2010年にかけて発表された5つの中短編。いずれもこれまでに未収録のもので、文庫オリジナルだそうです。

ちょっと怖くて、不思議なお話が集められています。

『雪娘』は、「これは、もしかして・・・」と思った方向に話が進んでいくのですが、読後感は何とも切ない感じでした。

『チヨ子』は、ファンタジーですね。子どもの頃、大切にしていたぬいぐるみや大好きだったアニメのキャラクターを思い出しながら読みました。

『いしまくら』は、直木賞受賞後の第一作。悪いことをすれば必ず自分に返って来るという民話「石枕」。でも、そんな風に考える日本人は減っているのではないかと主人公は話します。平気で他人を傷つけたり、殺したりする人が増えていると。
そして世の中では、いつ自分が被害者になるかもしれないという不安から、殺された被害者に落ち度があったのではないかと考える風潮になっているのではないかと。
これには少し驚いて、確かにそんな気持ちもあるのかもしれないなと思いました。

『聖痕』は、ずっしりと重い中編です。実母とその内縁の夫から虐待を受けていた少年が、二人を殺して、学校に立てこもった事件に影響を受けて、ネットの掲示板で彼はいつしか神と呼ばれるようになります。
現実の彼は、過去の自分の過ちを認め、立ち直ろうとしていたのですが・・・。
ネットの世界ではこんなサイトはありそうだし、書き込む人達が暴走していくこともありそうで怖いなと思いました。

「寿歌」観劇

堤さんの舞台を観るのは久し振りということで、楽しみにしていました。

はっきり言ってストーリーはよく分からなかったのですが、漫才のような掛け合いで、笑いはいっぱいです。
でも、戦争で生き残った人間は少なく、放射能やミサイルが飛び交っている状況という設定です。彼らはどこに向かっているのか分かりません。

堤さんは映像も良いですが、やっぱり私は舞台で観る方が好きです。
生き生きとしてて、自由な感じがします。

じゅんさんも久し振りです。
何かしようとしなくても十分面白いのですが、堤さんとも息が合っていて、二人の"間"が何か良いなという感じでした。

恵梨香ちゃんは、ずい分痩せましたね。
顔もほっそりしたような気がしますし、腕とかすごく細かったです。
でも、声が通るし、パワーを感じる演技でした。
ドラマや映画では無いだろうなっていう役もさらりと自分の物にしているのは、若いながらもすごい女優さんなだと思います。

この舞台は好き嫌いがあるかもしれませんが、後でじんわり沁みてくるというか、いろいろ考えてみる・・・という作品かもしれません。
私はこの三人の顔合わせが観られただけでいいかなと思いました。

シスカンパニー 寿歌



「食べる女/筒井ともみ」

いつも美味しい料理を作って待っていてくれる彼がいながら、妻子のいる魅力的な元彼に惹かれてしまう多実子。亡くなった祖母のおはぎが大好きだった彼に、おはぎを作って毎年届ける私。料理が出来なかった私が、愛人を作って出て行った夫に食べさせる肉じゃが。

様々な男女の恋愛とおいしい食べ物の話。

たくさんの短編があるのですが、私が一番気になったのは「賜物」。
一人暮らしで、コンビニ弁当や菓子パンばかり食べているマチ子の部屋の前に突然現れた大きな石。マチ子は石を意識して生活しているうちに、ちゃんとした食事を食べるようになっていくのです。

私も一人暮らしの時はひどい食生活でした。
自分で作るのは週に2、3回。
コンビニのお弁当やおにぎりは食べなかったけど、麺類にしてしまう事も多かったですね。
でも、そんな物ばかり食べていると元気も出ないし、ちゃんと手作りの物が食べたいって身体が要求してくるんですよね。

大切な友達や好きな人と美味しい物を食べるのは、人生の喜びだと思います。

この作品のもう一つのテーマはいとしい人とのセックスなのですが、いくつかの短編に登場する初めて会った人とも寝てしまう女性には共感できなかったのですが、こちらも人生には重要ですね。

筒井さんはドラマや映画の脚本を書いているせいか、ドラマにしたら面白そうだなと思う話が多かったです。
解説で篠原涼子さんも書いているように、その「画」が見えて来るような。

「ヒア・カムズ・ザ・サン/有川浩」

出版社で編集をしている真也は、幼い頃から、品物や場所に残された、人の記憶が見えるという不思議な力を持っていた。
仕事のいきさつから、同僚のカオルの二十年振りの父親との再会に同行することになったのだが、真也に見えたものは・・・。

この作品は、去年キャラメルボックスが上演したものの小説版です。
残念ながら舞台は観ていないのてすが、登場人物や設定など「7行のあらすじ」は同じですが、また違った物語になっているそうです。

そして、もう一つ舞台から着想を得て書かれた「ヒア・カムズ・ザ・サン Parallel」も、また別の物語として書かれています。

小説版は、父親のある秘密が切なくて、不器用で激しい愛と、穏やかに見守る愛とがカオルに注がれていたのが、真也に見えた記憶によって明かされていきます。

Parallelは、最初は嘘ばかりついている父親が好きになれませんでしたが、父親が日本に帰国した事情が明かされて、これまた切ないなと。
意固地になって父親と向き合おうとしないカオルを、何とか父親に会わせようとする真也の愛情が素敵だなと思いました。

有川さんの文章は読者を一気に物語の世界に惹き込む力があるので、1日で読了してしまいました。

舞台も是非観てみたかったです。

「偉大なる、しゅららぼん/万城目学」

滋賀県東部、琵琶湖半に位置する城下町・石走。石走城で暮らす日出家の本家で、ある修業をする為に涼介はやって来た。日出家が持つ不思議な力とは、琵琶湖から授かったものだった-。

日出家と対立する棗家、両方の家を琵琶湖半から追い出そうとする校長と、どうなるんだろうと先が気になって、一気に読んでしまいました。

石走で絶大な権力を持つ日出家の長男・淡十郎の殿様然としたふるまいや、ある力が強過ぎて引きこもりになってしまった清子の高圧的な態度に涼介が翻弄されるのが面白いです。

涼介は主人公の筈なのに、自分が持っている力も思う通りに使えなかったり、長身のイケメンの棗広海に良いところは全部持っていかれて、何だか情けないのですが、何故か愛着の持てるキャラクターです。

お城に住むってどんな感じだろうと想像してみたり、日出家の豪華なお弁当や食事も食べてみたいなと思ったり。

まさに万城目ワールドですね。

1月の気になる舞台

あけましておめでとうございます。
昨年は大変な年でしたが、一歩一歩前に進んで行けたらいいですね。
時が経つとだんだん風化されていくけれど、忘れないことが大切だと思います。

個人的には、まだ具体的に考えていないのですが・・・。
とりあえず日々の暮らしを大切にと思っています。

1月の気になる舞台です。

十一ぴきのネコ
井上ひさしさんの作品を長塚圭史さんが演出するとどうなるのか観てみたいです。
北村有起哉さんや粟根まことさんが出演されているのもいいですね。

金閣寺
初演は劇場が遠かったので観られませんでしたが、三島由紀夫さんの戯曲には興味があるので観てみたいです。

寿歌」 ★
堤真一さんの舞台はこのところチケット入手が難しい物ばかりで、しばらく観ていないので楽しみにしています。
橋本じゅんさんも「鋼鉄番長」以来です。

下谷万年町物語
久し振りのシアターコクーンでの上演ですね。大好きな劇場なので、どんな風に変わったのかも楽しみです。
宮沢りえさん×蜷川さんは意外にも初めてだそうですが、りえちゃんの新しい魅力が引き出されそうですね。

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