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2011年12月

2011年 エンタメベスト5(読書編)

2011年に読んだ本は73冊。
仕事を辞めて時間が出来たので、この数ヶ月は2日に一冊ペースで読んでいます。
そのせいか肩凝りがひどくなってしまいました。
夫に「どこに向かっているんだ」と言われたりします。
73冊から5冊って、難しいな~。

・小暮写真館/宮部みゆき
・チーズと塩と豆と/角田光代、井上荒野、森絵都、江國香織
・結婚相手は抽選で/垣谷美雨
・和菓子のアン/坂木司
・プリンセス・トヨトミ/万城目学

今年の宮部さんの作品はどれも良かったのですが、「小暮写真館」は今までの宮部さんとは違った新境地となった作品だと思います。正直言って、以前はストーリーの中に恋愛に関する描写が出て来ると通り一遍のよくある話で、感情移入できないなと思っていました。
この作品では、主人公と年上の女性の微妙で複雑な関係も描かれているのですが、それがすごく丁寧に気持ちを追っていて良かったです。

「チーズと塩と豆と」は、それぞれヨーロッパの田舎町を舞台にした短編集。
4人とも好きな作家だし、私は何故か食べ物が出て来る小説に心を惹かれるみたいです。
それぞれの主人公は家族やパートナーとの関係に悩みながらも、前向きに強く生きています。

「結婚相手は抽選で」は、少子化対策で「抽選見合い法」が制定され、その制度に翻弄される男女を描いたものです。その斬新な設定が面白かったのですが、読んでみると容姿や条件にこだわったり、今の婚活と似ているなと思いました。

「和菓子のアン」は、デパ地下の和菓子屋でアルバイトを始めたアンちゃんが個性的な同僚に囲まれ、様々なお客様のちょっとしたミステリーを解き明かしていく物語。
これも食べ物ですね(笑)この作品に出て来る和菓子が本当に美味しそうで、その歴史もなるほどなーと思うような物で、和菓子についてもっと深く知りたくなりました。

「プリンセス・トヨトミ」は以前から読みたいと思っていたのですが、途中で映画が公開されてどっちが先か悩みました。結局本を先に読んでしまって、まだ映画は観ていないのですが。
ドラマや舞台で戦国時代の話は何度も観ているので、本当に豊臣家の末裔が生き残っていたりしてと考えたり、大阪の人はこんな風に徳川家より豊臣家寄りなんだろうかと思ったり、いろいろ想像させるストーリーで面白かったです。万城目さんの作品は現実にはあり得ないけど、もしあったら面白いなと思うような物語が多いですね。関西の歴史に絡めた話に興味をそそられます。

自分の好きな作家ばかり読んでいると偏ってしまうので、雑誌やTVの書評を読んだり、本屋でチェックしたりして、いろいろな人の作品を読みたいなと思っています。

2011年 エンタメベスト3(映画編)

2011年に観た映画は14本。
前半はほとんど観ていないし、やっぱり少ないですね。
あんまり少ないので、映画編はベスト3にしてみました。

1.匿名レンアイ相談所
2.ステキな金縛り
3.ツレがうつになりまして

「匿名レンアイ相談所」はフランス映画祭で観た映画で、日本での配給はまだ決まっていないようですが、今年の映画祭の観客賞に選ばれた作品です。極度に内気で人づき合いが苦手で不器用な二人が、チョコレート作りを通して心を近づけて行くラブ・ストーリーです。
なかなか自分の気持ちを伝えられない二人がもどかしくて、観ている方も一生懸命応援したくなるお話でした。

「ステキな金縛り」は、期待以上に面白くて、最後はじんわり泣けて、観終わった後本当に良かった~という感じでした。
少し前にTVで「悪人」を観たばかりだったのですが、深津さんの演技の幅の広さに改めてすごい女優さんだなと思いました。

「ツレがうつになりまして」は原作の漫画のイメージと合っていて、堺さんとあおいちゃんの雰囲気がすごく自然な感じで良かったです。

来年はもうちょと映画館で映画を観たいですね。

2011年 エンタメベスト5(舞台編)

今年も残すところ後わずかとなりました。
このエンタメベスト5、毎年中途半端になっていたのですが、今年はちゃんと書こうかなと思っています。
読書編はまとめるには数が多いので、ちょっと自信が無いのですが頑張ってみます。
まずは舞台編です。

今年観に行った舞台は23本。
例年40本ぐらいだったので、今年は半分ぐらいに減りました。
震災の日、「国民の映画」を観に行く予定でした。
地震直後はまだどんな大変な状況か分からず、とにかく電車が止まってしまったし、観劇はあきらめるしかないなと残念な気持ちで歩いていました。

余震が続いてまだ不安もありましたが、3月下旬に何とか「国民の映画」を観ることができました。
笑える場面ももちろんたくさんあったのですが、三谷さんにしては珍しくシリアスな内容でした。
でも、生の舞台からもらえるエネルギーで、その頃のいろいろなストレスが癒されました。
イベントやエンタメ自粛ムードの最中でしたが、「こんな時だからこそ、観に行って良かった」と思いました。
それでも観劇数が減ったのは、やはり余震が続いていて、3ヶ月ぐらいは出掛けるのが不安だったからだと思います。

私の2011年のベスト5は

1.国民の映画
2.ベッジ・パードン
3.髑髏城の七人
4.引き際
5.8人の女たち

「国民の映画」は素晴らしいキャストの方々でしたが、一人一人のキャラクターに愛着が持てました。小林さん演じるフリッツが、最後に小日向さん演じるヨゼフに初めて感情をあらわにする場面が印象的でした。

「ベッジ・パードン」は珍しく萬斎さんが受け身の芝居なのが新鮮で、楽しかったです。
深津さんがとてもチャーミングでした。大泉さんも期待通りでした。
そして、何と言ってもすごかったのは浅野さんの11役。笑えるのはもちろんですが、それぞれちゃんと重要な役なんですよね。

「引き際」「髑髏城の七人」「8人の女たち」はそれぞれブログで感想を書きましたので、ここでは詳しく書きませんが、特に「引き際」は新鮮で衝撃的でした。

来年ももう観劇の予定が何本か決まっています。
素敵な舞台に出会えますように。

「結婚のアマチュア/アン・タイラー」

一組の夫婦-マイケルとポーリーンの出会いから60年間を描いた物語。

マイケルの一目惚れで始まった二人の恋でしたが、当初から気持ちの行き違いは描かれています。
それでも、軍隊の訓練中の事故で足をひきずるようになって帰って来たマイケルとポーリーンは結婚します。結婚式当日もちょっとしたゴタゴタはあったのですが。

結婚してからマイケルはポーリーンのことを「わけのわからない、気まぐれで支離滅裂な女」だと思うようになっていきます。
そしてポーリーンはマイケルのことを「慎重すぎて柔軟性がない。面白味のない男」だと思うようになります。

何かというと喧嘩してばかりいる二人なのですが、きっとこんな夫婦はどこにでもいますよね。
お互いに相手に苛立ちながら、それでも愛情もあったはずです。
でも、長い年月を経ても同じ状態が続いて、マイケルは「他の夫婦はもっと上手くやれているのではないか。自分達だけがいつまでも結婚のアマチュアなのだ。」と思います。

今年結婚したばかりの私には、何だか身に沁みる言葉でした。
「結婚のアマチュア」か。
でも、誰しも「結婚のプロ」にはなれないんじゃないでしょうか。
"我慢"するのではなくて、譲り合えたらいいなと思うけど、なかなか上手くいかないものです。

二人の60年間には様々な事が起こります。
悲しい出来事もたくさん起こるけれど、最後にマイケルがポーリーンのことを想っている場面に救われた気持ちになりました。

「欲望という名の電車」観劇

「欲望という名の電車」を観るのは、TVの舞台中継(かなり前なので、キャストはうろ覚えです)、篠井さん版、今回で三度目です。
この作品はブランチにしても、スタンレーにしても、役者冥利に尽きる役ですよね。

高畑さんのブランチは、プライドが高く、感情の起伏が激しかったり、かと思えば夢と現実の間をさまよっているようだったりと様々な表情を見せて、本当に熱演でした。

スタンレー役の宅間さんは脚本家としても有名ですが、宅間さん脚本の文学座の舞台を観たことはありましたが、役者さんとして観るのは初めてでした。
粗野で暴力的だけれど、人を惹きつける魅力のあるスタンレーを圧倒的な存在感で演じていました。

ピアノの生演奏も良かったです。
舞台での楽器の生演奏もずい分増えたような気がするのですが、やっぱり音楽があると気持ちが盛り上がりますね。

優れた戯曲は、何度観ても新しい発見があって面白いです。
演出やキャストが変われば、また違う印象になりますし。

今頃千秋楽の上演中ですね。

今年の観劇はこの作品が最後かな。
たぶん。
きっと(笑)


「ニューイヤーズ・イブ」試写会

大晦日のニューヨーク。
去年の大晦日に出会った女性が忘れられない男。
プロポーズをしながら彼女の前から姿を消してしまった男は、彼女と再会するのだが・・・。
死期が間近に迫った男。
もうすぐ赤ちゃんが生まれる二組の夫婦。
マンションのエレベーターに閉じ込められた男と女。
今年の10個の目標を一日で達成しようとする男と女。

とにかく豪華キャストです。
一人一人の物語が生き生きと描かれていて、どの主人公も応援したくなります。
台詞も心に響きます。

病院のベビーベッドに並ぶ生まれたばかりの赤ちゃん達には、胸がいっぱいになりました。

できたら今年中に観て下さい。
来年も頑張ろうと思えますよ。

「ニューイヤーズ・イブ」公式サイ



「サヴァイヴ/近藤史恵」

「サクリファイス」「エデン」に続くシリーズの最新刊。
物語は「サクリファイス」「エデン」の過去と未来。

今回、チカは最初と最後にしか登場しません。
他の話は、シリーズでは脇役だった伊庭や赤城の視点から語られています。
特に赤城からは、無口でつかみどころのない石尾の自転車で走ることへの強い想いなどが明かされていきます。

前に読んだ時も思いましたが、ロードレースって不思議なスポーツだなって。
完全な団体競技ではないけれど、全くの個人競技でもなく。
エースにゴールを切らせる為にアシストとして犠牲になるなんて、他の競技には無いことですよね。

もちろんアシストにはエースへの嫉妬もあるだろうし、エースは良い成績を出し続けなければならないプレッシャーがあると思います。
その心の葛藤なども丁寧に描かれているのが、近藤さんの作品の魅力だなと思います。

日本ではあまり知名度のある競技ではないので、このシリーズで興味を持ってからも見たことがないのが残念です。
でも、ロードレースについて全く知らない読者でも、読んでいくうちにその世界を体感しているような気持ちになれるような作品になっています。

あまり説明し過ぎて読むテンポが遅くならないように、解らない用語はまた違うところで説明するなど、近藤さんは工夫しているそうです。

また「サクリファイス」を読み直してみたいなと思っています。

「クリスマスのその夜に」

大切な人とクリスマスを過ごしたいと思う様々な人達。
別れて暮らす子ども達にプレゼントを渡したくて、何とかサンタに変装して会いに行く男。
妻子のいる男が帰って行く姿に、ある決心をする女。
二度と故郷に帰れないというコソボ出身の夫婦の赤ちゃんを取り上げる医師。

それぞれの人生がだんだんと浮かび上がるように描かれていて、物語が繋がっていきます。
どこか悲しさを秘めた人達ばかりなのですが、最後の場面では心が温かくなります。
生命の誕生は、やっぱり希望を与えてくれます。

美しいオーロラが映し出されるのですが、実際に見たらどんなに綺麗でしょうね。

「ホルテンさんのはじめての冒険」も「キッチン・ストーリー」もとても観たかったのに見逃してしまったので、やっとベント・ハーメル監督の作品を観ることが出来ました。
やっぱり好きな感じでした。

「クリスマスのその夜に」公式サイト

「しょうがない人/平安寿子」

日向子は高校の同級生だった渚左が経営する自然素材のサプリメントを販売する会社でパートをしている。パート仲間の二人とは家族への不満や友人の噂話をして気を晴らしている。日向子の周りのしょうがない人たちの話。

日向子の従姉の典子は、日向子を批判しつつ自分の自慢ばかりする女。
批判しないまでも、自分の自慢ばかりする人っていますよね。
私もちょっとうんざりしながらも、日向子のように聞いてしまう方かもしれません。
友人の場合は、他に良いところがあるから付き合っているのですが、時々聞き流しています(笑)

夫婦お互いの両親の老後の問題や反抗期の娘との対立、実家の相続を巡る姉妹喧嘩など、女性には身近な話ばかりです。

会社の社長であり、友人でもある渚左とも言い合いになってしまう場面がありますが、結婚している女性と独身の女性はお互いに「あなたには分からない」と思ってしまいがちですね。
女性にとっては"共感"できる事が大切なので、立場が違うとつい対立してしまうのかもしれません。

妹との相続を巡る騒動では、日向子が"しょうがない人"になってしまいましたが、気持ちは分かると思いました。

読みやすかったので、一気に読んでしまいました。

「90ミニッツ」観劇

「倫理」がテーマというのは三谷さんらしくないですが、振り返ってみると、今年の三谷さんの舞台は今までのコメディとはちょっと違った物が多かったですよね。

西村さんと近藤さんの緊迫感のあるやり取りが続くのですが、真剣になればなるほどおかしい笑いもあって、そこは三谷さんらしいかもしれません。

90分「どうなるんだろう」と、時には舞台から目をそらしてそっと息をついたり、祈るような気持ちで台詞を待ったり・・・濃い90分でした。

来年2月の追加公演も決まっているので、今月観に行けない方は是非追加公演で観て欲しいです。

「90ミニッツ」PARCO劇場サイト

「この女/森絵都」

物語は阪神淡路大震災の直前。「女房の人生を小説にして欲しい」ホテルの経営者からの妙な依頼。大阪・釜ケ崎のドヤ街で働く礼司は、多額の報酬につられて承諾するのだが・・・。

ホテルの経営者の女房・結子を主人公に小説を書くという設定ながら、そこには礼司の人生が描かれています。
いつしか一緒にいることが自然になっていく二人ですが、礼司は結子の強い生命力に惹かれたのかもしれませんね。

読みながら、以前ドキュメンタリーで見た釜ケ崎の人達の生活が思い出されました。
格差社会やワーキングプアーが問題になって久しいですが、一度落ちてしまったら抜けられない恐怖というのは、他人事ではないと思います。

今までの森さんの作品とは少し違った感じですが、登場人物のディティールがきちんと描かれているので、読ませる力があります。

冒頭で震災後に礼司は行方不明になっていると書かれていますが、結子はどうなったのか、某教団に出家した友人・大輔はどんな人生を歩んだのか・・・など、いろいろな事を想像させる結末です。

「8人の女たち」観劇

郊外の屋敷に集まる家族達。朝、メイドが一家の主・マルセルに朝食を持って行ったところ、マルセルは背中を刺されて死んでいた。電話線は切られ、車は故障させられていた。大雪で身動きの取れない8人の女たち。犯人はこの家の中の誰か・・・?

登場場面で8人の女優が勢揃いするのですが、その華やかなこと。
中央に舞台があるのもこのお芝居に合っていました。
一幕も二幕もあっという間で、犯人が誰なのか最後まで分からず、次々と疑惑のヒロインが変わって面白かったです。

私が映画を観たのは公開当時の2002年なので、犯人もあらすじもほとんど忘れていて(笑)、新鮮に楽しめました。
映画はミュージカル仕立てになっていたのですが、もし、再演することがあればミュージカルも面白いかもしれませんね。

それにしても、年を重ねても皆さんお美しい。
演技が確かなのは言うまでもないですし、本当に見応えのある舞台でした。
舞台好きなら、絶対お勧めです。

「8人の女たち」公式サイト

「ア・ラ・カルト2」観劇

以前から行ってみたかったのですが、やっと行けました。
青山円形劇場はフレンチ・レストランの舞台にぴったりでした。
会社の同僚同士、待ち合わせの彼を待つ女性など、様々なお客様とギャルソンとのやり取りが楽しいです。

バイオリンやピアノ、ギターなどの生演奏も舞台の雰囲気を盛り上げて、すごく良かったです。

この日のゲストは、大好きな池田鉄洋さん。
もう出て来るだけで微笑んじゃいます。
歌の時の真っ赤なヒラヒラ・ブラウスには、もう大ウケでした。

高泉さんの役毎の見事な変身には驚きました。

休憩時間にはソフトドリンクが無料で提供されていました。
喉が渇いていたので嬉しかったです。
以前はワインも無料だったそうですが、今はワインは有料です。

舞台では何品か本当にお料理が出て来て、食べていたのですが、それを見ていたらフランス料理を食べたくなってしまいました。
舞台では、フランス料理をあまり食べたことのないお客様ばかりの設定でしたが、私もお料理の名前とかよく分からなかったりしますが、食べたい食材で選んでいます。

ゲストが変わるとまたお話も違うのかな。
そう思うとまた行ってみたくなりますね。

とっても楽しい夜でした。

「ア・ラ・カルト2」公演情報

「私のミトンさん/東直子」

海外赴任中のミキヒコ叔父さんの家を借りることになったアカネ。台所の床下に下りてみると、そこには赤い服を着た小さな人"ミトンさん"がいたのだった。

東さんの作品は、現実とその狭間にあるちょっと不思議な世界を描いた物が多いのですが、今回もそんなお話です。

小さなミトンさんがおばあさんみたいな顔をしていて、男の人みたいな喋り方をするのがおかしいです。
最初は戸惑っていたアカネが、ミトンさんの存在によって、自分や周囲の人達との関係を見つめ直していくのです。

でも、恋人の庄司くんはちょっとどうかなと思う人です。
自分と似ている人だと分かりやすいし、安心というのは分かるのですが。

東さんの本は、「甘い水」もお勧めです。

「ワイルド7」試写会

凶悪犯人を極秘裏に"退治"する7人の元犯罪者-「ワイルド7」と呼ばれる彼らは超法規的存在として、国家に仕立て上げられた処刑マシーン。

過激なシーンが多いのかなと、ちょっと身構えて行ったのですが、思っていたほどでもなかったです。

最初はバラバラだった7人の気持ちがだんだん一つになっていって、終盤のSATとの抗争シーンでは胸が熱くなりました。
でも、もう少し一人一人の背景が描かれていると、もっと感情移入できたのになとちょっと残念でした。

誰も信じず、心を閉ざして生きていた飛葉(瑛太)が、ユキ(深田恭子)に出会って変化していく姿に惹き込まれていきます。
瑛太くんは、観る人を惹きつける力があるんだなと再確認でした。

「ワイルド7」公式サイト

「おまえさん 上・下/宮部みゆき」

生薬屋・瓶屋の主人・新兵衛が斬り殺された。本所深川の同心・平四郎は、将来を期待されている同心・信之輔と共に調べに出向いた。信之輔の大叔父・源右衛門は、少し前に見つかった身元不明の亡骸の斬り口と同じだと言う。二つの事件は関係があるのか-。

「ぼんくら」「日暮らし」に続くシリーズの3作目。
おなじみの平四郎と甥の弓之助が今回も活躍します。
特に弓之助はおでこと共に秘かに動き回ったり、成長したなと思うところがありました。
兄の淳三郎には、まだまだ子どもらしく突っかかったりして可愛いのですが。

瓶屋のおかみ・佐多枝、娘の史乃は、それぞれに人目を引くような美しさなのですが、彼女達を巡る恋模様も描かれています。
男でも女でも美しいというのは、時には幸せばかりではなく、他人の人生を狂わせるような悲劇も生むものですね。

大筋の事件には一見関わりのないような登場人物も丁寧に描かれていて、江戸時代の市井の人達の暮らしが分かり易くなっています。

シリーズの先には、弓之助の恋愛も描かれたりするのかな。
それも楽しみです。

今回は、単行本と文庫が同時発売という珍しい刊行です。

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