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2011年9月

「ばんば憑き/宮部みゆき」

箱根に湯巡りに来た若夫婦。妻が酔って寝てしまった夜、佐一郎は相部屋になった品柄の良い老女の昔話を聞くのだが・・・。(表題作「ばんば憑き」)

「あやし」「おそろし」などに続く江戸時代の怪談。
今回の作品は今まで以上に人の心は恐ろしく、欲深いものだと思わせるお話ばかりでした。そして、そこには深い悲しみもあるのですが。

「日暮らし」の政五郎親分とおでこが影踏みの謎を解き明かす「お文の影」、「あんじゅう」の青野利一郎と三人組の悪童、行然坊が出会うきっかけとなったお話「討債鬼」では、若先生の悲しい過去も描かれています。

私が一番心に残ったのは「野槌の墓」です。何でも屋の源五郎右衛門に娘の加奈が、化け猫のタマの頼みを聞いて欲しいと言うのだが・・・。
化け猫と源五郎右衛門のやり取りが面白いし、人に仇を為すようになった物の怪の思いまで考えてしまう源五郎右衛門の優しさが心に沁みます。



マザーリーフ(青山)

「髑髏城の七人」を観た後で、友達と「マザーリーフ」に行きました。
ここのワッフルはサクッとしていて、以前から大好きです。
私がこの日食べたのは、季節限定のラムレーズンと洋梨のワッフル。
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ラムレーズンがたっぷりで美味しかったです。
友達が食べた栗と木苺のモンブランワッフルもちょっと食べさせてもらいましたが、美味しかったです。

フードメニューもあるので、観劇前のランチにもお勧めです。
HPにはクーポンもありますよ。
マザーリーフHP

「告白」DVD

原作も衝撃的でしたが、映像にすると更に衝撃的ですね。
やはり原作と同様後味は悪いのですが、女教師・森口悠子の心情を表わすような場面がいくつかあるのが救いです。
原作では犯人に対しての憎しみしか描かれていないので、森口は不気味な感じです。
それは意図的だとは思うのですが、好き嫌いが分かれるところでしょう。
松たか子さんは原作のイメージ通りで、更に血の通った森口になっています。

ちょっと心配なのは、出演した中学生役の子ども達。
観ているだけでも暗い気持ちになるのに、演じていてその世界にどっぷり浸かるのはキツイだろうなと思いました。

中島監督独特の映像が、暗く鮮やかで美しいです。

「Rのつく月には気をつけよう/石持浅海」

学生時代からの飲み友達の長江、熊井(女性)と私・夏美は、いつも長江のワンルームマンションで飲んでいる。ここ数年は、誰かが友達をゲストとして連れて来ることになっている。今日は私の同僚の一重がゲストだ。今夜は長江が安いカキを大量に買ったので、カキ・パーティーなのだが、一重は以前カキにあたったことがあるという・・・。

ゲストの話から、長江がゲストの嘘や悩みの解決の糸口を見つけたりするお話です。
優秀すぎる頭脳を持つ長江と、それに負けずに疑問を投げかける熊井のやり取りが面白いし、ゲストの話に一喜一憂する夏美も可愛らしいです。
でも、ちょっと文章が理屈っぽく感じました。

石持さんの作品だったら、「温かな手」もお勧めです。

「告白/湊かなえ」

ある中学の終業式の日、担任である森口悠子の話から物語は始まる。事故死だと思われていた我が子・愛美の死は「このクラスの生徒に殺されたのです」と・・・。

最初から独特の語り口で一気に読ませます。
あまりに衝撃的な内容で、この話はどうなっていくんだろうと思いましたが、それはほんの序の口でした。
語り手が次々と変わり、新たな事実が明らかにされていきます。

正直言って、読後感はあまりよくありません。
誰にも共感できないし、救いのない話です。
それでも、この作家の圧倒的な文章力に惹きつけられてしまうのです。

巻末にこの作品を映画化した監督の中島哲也さんのインタビューが載っていますが、「登場人物は嘘をついている」という言葉を読んで、なるほどと思いました。
登場人物の言っていることは本当のことなのか、どの部分が嘘なのか・・・そんな事を考えながら読むとまた面白いかもしれません。

映画は観ていないので、DVDを借りて観てみたいなと思います。

「髑髏城の七人」観劇

何度か再演されている舞台なので、ファンの方も多いと思いますが、やっぱりいのうえ歌舞伎は良いですね~。
私は染五郎さん版をゲキ×シネで観たのですが、ゲキ×シネでこれだけ面白いのだから、生はもっと良いだろうなと思っていたので、念願が叶いました。

小栗くんは、今までいくつかの作品で観ましたが、新感線に合っているなと思いました。
背が高いので殺陣も迫力があって良かったし、パッと人の目を惹きつける"華"のある人だなと改めて思いました。

未來くんはもう新感線の準レギュラー?なので、動きも軽快で、悪役を生き生きと演じていました。

聖子さんはいつ出てくるんだろうと思っていたら、もうほんとに毎回精一杯笑わせてくれます。大好きです。
衣装の色合いとか透ける感じがすごく素敵なのですが、顔を見ると男装で、笑わずにはいられませんでした。

勝地くんも準レギュラーですね。観る度に上手くなっているなと思います。
仲間に慕われる役がピッタリでした。
この日は勝地くんが罰ゲームで歌を歌いました。
罰ゲームを見るのも久し振りでしたが、ちょっとお得な感じでした。

今回は私の友達にもチケットが取れなかった人が何人かいますが、当日券に並んでも観て欲しい舞台です。

「連結の子」観劇

ある事件を起こして服役していた孫・由起夫を家に迎える準備をする祖父。出所後、保護司の紹介で就職も決まり、真面目に生活する由起夫だったが・・・。

とてもシリアスな話なのに笑える場面が多くて、2時間ちょっとは全然長いと思いませんでした。テンポの良い会話のやり取りが良かったです。

 由起夫の家族とそれを取り巻く人達の物語なのですが、今は家族でもなかなか素直に感情をぶつける事が出来ないんじゃないかなと思います。
でも、この家族と隣人は、お互いの気持ちをぶつけ合って、それでもなお関係が途切れることはなくて・・・そういうのって良いなと思いました。

 祖父、息子達、孫と3世代を繋ぐのは鉄道への熱い思い。それもちょっとコミカルに描かれていて面白かったです。

文学座の舞台は外れがありません。
お勧めの舞台です。

文学座HP

「結婚はあなたのゴールではない/石田衣良」

「結婚はゴールではない」というのは昔から言われている言葉で、それはよく分かっているつもりなんですが、やっぱりそう考えがちなところはあると思います。

この本では、出会いからコミュニケーションの取り方、浮気について、愛され続けるためにとテーマに沿って考えて行きます。
書いてあることは、石田さんがいつも女性誌などで書かれているのと大体同じ内容でしたが、テーマ毎に独身の男女との対談があって、それが面白かったです。
やはり、男性の見方と女性の見方は違うのだなと思って。
合コンでは、同性にどう思われようと、わざとらしいぐらいアピールした方が良いとか(笑)、女性が思っているよりも男性はプライドが高いから、ハードルが低ければ低いほど良いとか。
真面目な女性ほど出来ない事ではありますが、ちょっと努力してみる価値はあるかもしれませんね。

最後は大半が既婚者、あるいは離婚歴のある方数人との対談だったのですが、それは特に興味深かったですね。
結婚相手は、第一印象がタイプではないと思った方が多かったことなど。
この対談は女性ばかりだったので、男性もいるともっと良かったのですが。

私はイケメンかどうかではなく、自分の好みの容姿であることは重要だと思っていましたが、それ以外はやはりちゃんと「会話」のできる相手かどうか、自分にも他人にも思いやりがあるかどうかが大切だと思います。
長い人生を一緒に歩いていく人ですから、自分も愛される努力をし続けないといけませんね。



「沼地のある森を抜けて/梨木香歩」

久美は叔母の時子が亡くなって、曾祖父の時代から引き継がれてきたぬか床を預かることになった。そのぬか床は呻いたり、卵が出来たり、人が涌いて来たり、不思議な物で・・・。

次から次へと起こる異常な事態に久美と共に巻き込まれていく感じで、物語の世界にすーっと入って行けました。

何が起っても冷静に対処できる久美が、初恋の相手・フリオには思い切り感情的だったりするのが面白いです。
叔母と親しかった風野さんは、わけあって男性性を捨てて生きている人なのですが、彼とのやり取りも昔からの友人とのやり取りのようで楽しいです。
お互いをよく分かっていないと出来ない会話というか。

作品を読んでいくうちに、生命の起源や「個」について・・・大きなテーマが見えてきます。
梨木さんの作品には、植物とか自然と共に生きていることを強く意識させられます。
都会大好きな私は、普段はあまり考えていないのですが。
でも、好きな色は自然の物(草木染とか)だったりするんですよね。

友人によれば、梨木さんの作品は単行本と文庫本では少し違ったりするらしいので、忘れないうちに両方読んでみたいなと思います。

「キネマの天地」観劇

新作映画の打ち合わせと監督に呼ばれて、4人のスター女優が集められた。顔を合わせた4人は互いへの皮肉や自慢話の応酬。実は、監督は亡くなった妻の女優・チエ子の死の真相を暴く為に4人を集めたのだが・・・。

麻実さん、三田さん、秋山さん、美帆ちゃんの掛け合いは絶妙で、ほんと楽しかったです。
ありそうで無さそうな意地悪合戦の数々とか。
4人のお芝居を観ているだけで、来て良かったなと思えるような作品でした。

もちろん、男性陣も良かったんですけどね。

以前違う舞台を観た時も思ったのですが、やっぱり麻実さんの話し方とか存在感って素敵だなと思いました。

浅野さんは、本当にどんな役でも良い味出しています。

井上さんお得意のどんでん返しもあって、最後まで楽しめます。

お勧めの舞台です。

「キネマの天地」HPはこちら

「ホテルジューシー/坂木司」

大家族の長女として生まれたしっかり者で、世話焼きのヒロちゃん。大学の夏休みにバイトで那覇のホテルジューシーで働く事になったのだが、そこには昼と夜では人格の違うオーナー代理や双子のおばあちゃんのハウスキーパーなどがいて、戸惑うことばかり。その上、ワケありなお客達にも翻弄され・・・。

最初はヒロちゃんの正義感の強さに「ちょっと待って」と突っ込みたくなることもあるのですが、いろいろな人や事件に遭遇するうちに、ヒロちゃんもだんだん成長していきます。
世の中にはほんとっにいろいろな人がいますものね。

私ならこんな人は放っておくなっていう人にも、結局ヒロちゃんは関わらずにはいられなくて、最後まで付き合ってあげちゃう。
そんなところが好きだなと思います。

ホテルの人達もそんなヒロちゃんを温かく見守っていて、優しいのです。
一癖も二癖もあるんですけどね。

沖縄料理ってあんまり食べたことないのですが、比嘉さんの作る朝食、食べてみたいなと思いました。

「夫の彼女/垣谷美雨」

今年は更新するぞーと決意していたのに、ずいぶん長いことお休みしてしまいました。

生活も落ち着いたので、またぼちぼち更新しようと思っています。


夫と二人の子どもを持ち、平凡だが幸せに暮らしていた主婦・菱子。ある日、夫が見ていたパソコンの履歴から、夫の浮気相手らしい星見のブログを読んでしまう。菱子は星見と会う約束をするのだが・・・。

夫の彼女と身体が入れ替わってしまうというお話なのですが、自分とはまるで違う相手の人生を体験してみることで、自分の人生を考え直してみたり、相手がどんな気持ちで生活していたか考えてみたり。

菱子や星見が入れ替わってしまった立場で見せた意外な一面や、真面目で優しい夫の会社での顔が分かったりするのが面白かったです。

同じ著者の「結婚相手は抽選で」が面白かったので読んでみたのですが、菱子と星見、どちらも応援したくなるような主人公達でした。


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